パレスチナ・ガザの事態に際し、
イスラエル、ハマスが戦争を即時停戦することを強く要求する
パレスチナ・ガザ地区ではすでに死者が1万人を超え、その4割は子どもと報じられている。イスラエル軍の地上侵攻と空爆により、病院や難民キャンプ、モスクや国連施設でも被害が拡がる壊滅的な事態であり、200万人を超えるパレスチナ人の命の危機が差し迫っている。その状況下、国連総会は即時停戦を求める決議を圧倒的多数で決議したが、日本を含む西側諸国はそれに棄権ないし反対をし、この事態の収束を求める世界の動きを阻害している。
今回の戦争の発端を開いたのはハマスが無差別攻撃により民間人多数を含む多くの人たちを殺害し、200名以上を人質としたことであり、この行為は非難されなければならない。しかし、こうした事態を招いた背景には、イスラエルがガザ周辺の地区を不当に占領し続け、沖合の海上も封鎖するなど、そもそも国際法を踏みにじってきたことがあり、このことを論じない西側諸国の態度はあまりに一方的であり公正さを欠いている。
事態は急を要する。戦争による被害者がこれ以上に生まれることは避けなくてはならない。このような認識から、基礎経済科学研究所は、イスラエルとハマスは戦争を即時停戦することを強く要求するものです。
2023年11月9日
基礎経済科学研究所理事会
学術研究の自主性・独立性を確立するために —政府の「日本学術会議の在り方についての方針」に抗議する—
BY OFFICE_KISOKEN, ON 12月 22ND, 2022
学術研究の自主性・独立性を確立するために
—政府の「日本学術会議の在り方についての方針」に抗議する—
政府は、「日本学術会議が国民から理解され信頼される存在であり続けるためにはどのような役割・機能が発揮されるべきかという観点から検討を進めてきた。」として、12 月 6 日に「日本学術会議の在り方についての方針」(以下、「方針」)を公表した。
「方針」では、【科学的助言等】、【会員等の選考・任命】、【活動の評価・検証等】、【財政基盤の充実】、【改革のフォローアップ】という 5 つの柱で 8
項目の提言をしている。いずれも問題含みであるが、なかでも(1)「政府等との問題意識・時間軸等の共有」するとして、学術会議の下請け機関化をねらっていること、(2)「会員等以外による推薦などの第三者の参画など」会員任命に外部が関与すること、(3)「外部評価対応委員会の機能を強化」するとして外部の干渉を制度化しようとすることなど、学術会議の独立性を根幹から破壊する内容が盛り込まれていることは重大である。
日本学術会議は、2021 年 4 月に「日本学術会議のより良い役割発揮に向けて」を発表した。
その前文で「17
世紀以来の長い歴史を有する各国のアカデミーの設置形態は多様ですが、自由で民主的な国家では共通して、こうした役割を担う上で不可欠の要件が認められます。すなわち、①学術的に国を代表する機関としての地位、②そのための公的資格の付与、③国家財政支出による安定した財政基盤、④活動面での政府からの独立、⑤会員選考における自主性・独立性、の5点です。この「5要件」には、近視眼的な利害に左右されない独立した自由な学術の営みを代表するアカデミーの活動が、学術の豊かな成果を広く国際・国内の社会に還元する役割を通じて公共の福祉を保障するとの世界共通の信念が託されています。」と述べられており、これらは学術研究の自主性・独立性を確立するために準拠すべき原則であると考える。
2020
年秋、学術会議会員のいわゆる「任命拒否」問題が明らかになり、わが基礎経済科学研究所を含めおびただしい数の学協会・団体等が反対・抗議の声明・要望書を発表するなど、広範な世論の反発・批判を呼ぶこととなった。しかし、その後も任命拒否の理由すら説明されることなく、会員未充足という異常事態は解決されないまま、今回日本学術会議の独立性を破壊する新たな方針が出されてきたことに強い憤りを禁じ得ない。任命拒否の理由を説明しない政府が、「方針」では「透明」性をしきりに強調しているのは矛盾の極みである。
わが基礎経済科学研究所は、今回の「方針」に断固抗議すると同時に、多くの学協会や市民に「方針」に反対する取り組みに共に参加することを呼びかけるものである。
2022 年 12 月 20 日 基礎経済科学研究所理事会
ご案内20220915:
このたび、東京支部では新しい試みとして「きそけんブック・レビュー ONLINE読書会」(仮)を始めます。これはいわば「雑談以上、研究会未満」というイメージのものです。新刊・旧刊を問わず、特に印象に残っている本を紹介し、それをもとに自由に議論しようという主旨です。
本の概要を紹介していただいた上で、あとは特に注目する箇所や関連する本・分野の紹介、あるいは本からの発展方向などなど論点を自由に広げることもできます。各回の研究会に一貫したテーマを設けることはしないで、しかし、多くの会員に共有したいと考えるテーマや書籍を紹介してもらい、いろいろな視点からディスカッションできる場にしたいと考えています。
つきましては、報告希望者を募集いたします。
ご希望の方は、個別に東京支部事務局・原田までご連絡ください(hamudos@asahi.email.ne.jp)
下の各ボタンまたはその下の項目をクリックすればその内容を閲覧できます。
ただし、右上の「東京支部役員会の記録」はアクセスにはパスワードが必要です。
・神奈川ブロック
都合により神奈川ブロックのレジュメへのリンクは外してあります。
・南部ブロック
・北部ブロック
・西部ブロック
基礎経済科学研究所とは:1968年設立
基礎経済科学研究所(略称「基礎研」)は,「勤労者とともに勤労者のための経済学を創造しよう」というスローガンをかかげて,1968年に設立されました。設立以来40年来,「働きつつ学ぶ権利」を必須の人権として確立し,勤労者のなかから研究者の目をもった人材を育てるために,「夜間通信研究科」を運営するとともに,勤労者の参画する調査研究活動を推進してきました。
このような活動の成果として,『人間発達の経済学』,『日本型企業社会の構造』など30冊以上の書物を出版し,人間の成長と地球環境の大切にされる公正な日本経済づくりのために尽力しています。
基礎研は,日本学術会議に登録された学術研究団体(学会)です。財政は,所員・所友・研究生・会員からの会費収入と事業・出版活動によって賄われています。いかなる企業・団体・政党からも独立した自主的で民主的な団体です。
科学者,その卵としての院生の皆さん。専門科学者と市民が支えあい,育ちあう場に参加することで,現実感覚と広い視野,確かな方法論を身につけませんか。そして市民の目線で活動する市民派エコノミストとしての道を歩んでいきませんか。
市民,その卵としての学生の皆さん。市民のための経済学を創造する活動に参加され,未来への道筋を発見しませんか。そして「科学者としての眼を持つ市民」(市民科学者)に成長する道をともに歩みませんか。
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